10年以上介護職で働いている男性ベテラン介護士です。
私はある特別養護老人ホームで働いています。
毎日、食事排泄入浴などで業務に追われ忙しい時間を過ごしていました。
業務をこなしている私に優しく声をかけてくれる掃除のおばちゃんと私の思い出を語っていきます。

掃除のおばちゃんといっても75歳です。
掃除のおばちゃんは痩せていて体が小さいのですが元気です。いつも「私とほとんど同じ歳の人が老人ホームで寝たきりになってる」
などよく話しています。
そんなある日、私は掃除のおばちゃんに声をかけられました。
「ちょっとこっちこっしゃい」
と手を振ってこっちに来てとアピールされる。

私は何かあったのかと思いおばちゃんのところに行きました。
するとおばちゃんが
「ちょと今手が濡れてて出せないからちょっとここ」
と話してくる。

「え」と思った私は思わず二度見してみてしまう。
それはおばちゃんがポロシャツの胸ポケットにあるものを私に手でとってくれと話されるためだった。
おばちゃんは70代で痩せこけているため胸がほぼないとはいえど女性。。。しかし胸ポケットに手を入れるのはちょっとな。。と考えてしまう
悩む私を見たおばちゃんは
「早くして、手濡れて私じゃポケットから出せないから」
と話し急かしてくる。

しかしな。。と考える。 私は男性、高齢とはいえ女性の胸ポケットに手を入れるのはちょっとな。と考えていると
「ちょっと私手濡れているから早くして」
と話されるため、もうわかったよとばかりにおばちゃんのポケットに手を入れる。
おばちゃんの胸ポケットに手を入れると、何かガサっと音がしたが胸を触らないようにゆっくりと手を入れ取り出す

握った手を開くと、

特濃ミルクのあめが入っていた。

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