「まもなく営業を終了いたします」
そのアナウンスは、いつもより少しだけ冷たく聞こえた。
時計を見る。
残り、5分。
差枚はマイナス。
今日も、負けか。
1
朝から粘った。
REGは悪くない。
だが、噛み合わない。
ブドウも平凡。
グラフは、緩やかな右肩下がり。
“惜しい”
その言葉で一日を終えようとしていた。
2
席を立とうとした、そのとき。
「あと100枚だけ」
理由のない延長。
最後の未練。
レバーを叩く。
回る。
止まる。
何もない。
3
もう一度。
第三停止。
その瞬間。
ふわっと、光る。
GOGOランプ。
静かな青白い光。
4
心臓が跳ねる。
「今かよ」
思わず笑う。
奇跡は、いつも遅い。
でも、来た。
本当に来た。
5
ボーナスを揃える手が震える。
閉店まで、あと数分。
間に合うか。
焦る。
店員が後ろを通る。
時間だけが、速い。
6
1回目で終わらない。
100G以内。
また光る。
島はもう静か。
帰り支度の音だけが響く。
私は、ひとりで光を見ている。
7
最終差枚は、わずかにプラス。
大勝ではない。
だが、負けなかった。
奇跡は、爆発じゃない。
“終わらなかったこと”だ。
8
ホールを出る。
夜風が冷たい。
私は思う。
もし、さっき席を立っていたら。
あの光は、なかった。
だが同時に思う。
奇跡に頼る打ち方は、長くは続かない。
今日の光は偶然。
明日の武器にはならない。
🎯 学び
✔ 閉店前の未練は危険
✔ 奇跡は再現できない
✔ でも、諦めなかった自分は残る
奇跡は美しい。
だが、勝ち方ではない。
次回予告
第5話「設定6確信の一日」
奇跡ではなく、確信。
光を“待つ”のではなく、“読んだ”一日。



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