その夜、私は家に帰りたくなかった。
ジャグラーで負けた日。
財布は軽い。
気持ちは重い。
ホールを出たあと、しばらく車の中で座っていた。
エンジンもかけずに。
1
昔は、家に帰るのが楽しみだった。
結婚したばかりの頃。
二人で夕飯を作り、テレビを見て、笑った。
あの頃は、ジャグラーはただの遊びだった。
だがいつからか、私はホールにいる時間の方が長くなっていた。
2
その日も負けていた。
差枚は大きくない。
だが、積み重なった負けは心に残る。
“またか”
その言葉が頭の中で響く。
3
スマホを見る。
妻からメッセージ。
「ご飯できてるよ」
それだけ。
責める言葉はない。
それが逆に、胸に刺さる。
4
家のドアを開ける。
温かい匂い。
味噌汁。
焼き魚。
テーブルには、二人分の皿。
妻は何も聞かなかった。
「おかえり」
それだけだった。
5
私は思わず言った。
「今日、負けた」
妻は少し笑った。
「知ってる」
私は驚く。
「顔で分かるよ」
その一言で、胸が軽くなる。
6
食事をしながら、私は初めて話した。
負けていること。
悩んでいること。
やめようかと思っていること。
妻は黙って聞いていた。
7
そして言った。
「やめなくていいよ」
私は顔を上げた。
「でも、楽しそうじゃない」
その言葉は、静かだった。
だが、真っ直ぐだった。
8
ジャグラーは好きだ。
だが、負けを取り返すために打つと、苦しい。
私はようやく気づく。
問題は、台じゃない。
自分の向き合い方だ。
9
その夜、私は決めた。
✔ 月の予算を決める
✔ データで打つ
✔ 負けを取り返さない
ジャグラーを“遊び”に戻す。
🎯 学び
✔ 逃げ場として打たない
✔ 楽しめなくなったら立ち止まる
✔ 人生の軸はホールの外
ジャグラーは、ただの台。
だが、
誰と帰るかで、意味が変わる。




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